手から手へ、受け継がれてきた技術が生み出す品質。
会長:磯村 義則 第41回長三賞陶芸展 審査員特別賞受賞
森正は、その卓越した品質の陶芸で高く評価されている陶芸工房です。 (スラリーキャスト)製法。この製法では、石膏の型に粘土を流し込み、急須の5つのパーツ(胴、把手、注ぎ口、蓋、蓋把手)を成形します。轆轤で成形する手造りの急須とは成形方法が異なりますが、これらのパーツを組み付けて完成させるには高度な技術と熟練を要するという点では変わりません。
「職人一人ひとりが、次の工程に繋げるまで、心を込めて手仕事に取り組んでいます。だから、私たちの急須はこんなにも可愛らしいんです」と、窯元の磯村義則さんは笑顔で語る。鋳物師の家に生まれ、手びねりの急須も修行した後、自身の窯元「盛正」を創業した。
両方の工程を熟知しているからこそ、泥漿の配合を決め、天候に応じて液肥を施し、熟練の職人チームを率いることができる。しかし、彼は常に一歩引いてこう語る。「私たちの窯元で主役を務めるのは職人です」と。例えば、美しいグラデーションの星空を思わせる「スペースディフューザーホルダー」は、釉薬を吹き付ける作業だけで30年のベテラン職人の手による作品だ。同様に、鋳造、茶漉しの製作、蓋の取り付けなど、一つ一つの工程こそがこの窯元のメインステージ。毎月、約30種類、6000点もの作品が、職人の手から手へと丁寧に受け継がれ、世に送り出されている。