懐かしいお茶
優しい香り
マウンテンティー
茶園ミトチャは2013年に「天美釜炒り茶」というお茶を専門に事業を開始しました。日本語での名前は少し長いかもしれませんが、もっと簡単に言えば「熊野番茶」と呼ばれる、 和歌山県熊野市に伝わる伝統的な民俗茶です。シンプルながらも普段使いにぴったりのお茶で、懐かしく香ばしい香りが何度も楽しめる逸品です。
感動を与えるお茶の生産
茶園みと茶は、奈良県西部の山添村という自然豊かな場所にあります。山添村は京都の宇治、宇治田原、和束、南城といった主要な茶産地からもほど近い場所です。そこで2013年、若き農家の茅下弘樹さんは奥様と共にお茶と野菜の栽培を始めました。そこで栽培している和歌山県産の「番茶」(天美釜炒茶)は、茅下さんが農家になる前に、あるお茶屋さんで出会って感動したお茶です。茅下さんはこのお茶に感動し、自分もこのお茶を作ってみたいと思ったそうです。そして、お茶屋さんのご主人が、この伝統的な民俗番茶を栽培している熊野の茶匠を紹介してくれたのです。茅下さんは今でも、90歳近い老師の茶作りを毎年学び続けています(熊野では茅下さんの茶園に比べて最初の収穫時期が早いため)。その後、山添に戻って自分たちの茶作りを始めます。創業当初から、これがティーファーム三戸茶の茶作りのサイクルです。熊野で学び、吸収し、山添で自分たちの個性豊かな茶を育てているのです。
和歌山県熊野の名人から学ぶ。
過去、現在、そして未来をつなぐ伝統民俗茶
番茶というと、夏から秋にかけて大きく育った茶葉をイメージするかもしれませんが、熊野番茶はそのような一般的な番茶の定義には当てはまりません。熊野番茶は、釜炒りした茶葉を揉み、天日干しする独特の製法で作られる、熊野地方で守られてきた伝統的な釜炒り茶の一種です。 徳島県の阿波番茶や高知市の土佐番茶など、他の希少な地元の伝統的な番茶と同じようなイメージを持つかもしれません。また、ティーファーム三戸茶では、収穫した茶葉を一晩寝かせるため、いちょうか(収穫した茶葉を萎凋させて香りを引き立たせる工程)、釜炒り製法、焙煎度、そして天日干しならではの甘みが融合したお茶に仕上がっています。
ティーファームみとちゃで天日干しする茶葉。
茅下さんのお茶は言葉で表現するのが難しいですが、飲むと不思議と心が和み、どこか懐かしい気持ちになるかもしれません。和歌山県では、熊野番茶は茶粥として使われるお茶で、食事やお茶漬けにとてもよく合うお茶です。茅下さんは、茶園みと茶で、この伝統的な民俗茶を守り続け、華やかになりすぎない、日常のお茶として受け継がれていくお茶を作り続けたいと思っています。
化学肥料を使わないオーガニック茶の生産
煎茶や玉露では「 旨み」が追求されますが、天美釜炒り茶は旨みを追求するものではありません。そのため、三戸茶園の茶づくりは、煎茶・玉露に比べると肥料をあまり必要としません。三戸茶園では、落ち葉、刈り草、籾殻を主とした作付け体系を採用しています。若い茶樹や剪定、あるいは倒伏させた茶樹には、少量の有機JAS認証肥料を施します。しかし、山添の冷涼な気候は害虫からも茶樹を守ってくれるため、農薬を散布する必要もありません。
ティーファームみとちゃの農作物について:お茶と並行して野菜も栽培しており、野菜の栽培にも農薬は使用していません。肥料はJAS認証肥料を少量使用しています。