日本の茶道女性を称える
茶業は、一般的な農業と同様に、土地、事業、機械を男性が所有する傾向があるため、男性優位の世界と考えられがちです。しかしながら、日本では歴史的にも現在も、女性が茶を含む農産物の労働、管理、そして販売に携わっています。実際、今日、日本の農業労働力の50%強を女性が占めています。日本の茶業界において、女性は非常に貴重な存在であると言っても過言ではありません。茶の生産とビジネスのあらゆる側面、特に高度な技術を要する手摘み作業や茶文化の維持など、女性の役割は見過ごされ、過小評価されてきました。あらゆる種類の農作業、特に茶業は困難を伴いますが、自ら茶業や茶園を所有・運営する女性は、男性に対する一般的な考え方や期待のために、更なる困難に直面する傾向があります。女性は、茶の栽培と加工の革新、そして有機農法、栄養循環、そして新しい管理戦略を通じた農業の持続可能性向上といった、意義深い仕事をこれまでも、そして今も続けています。 Yunomi創業者のイアン・チュンは、2021年10月にWomen in Teaコレクション(ブログ記事「 Women in Teaプログラムへの思い」をご覧ください)を立ち上げ、ビジネスで主導的な役割を担う女性たちにスポットライトを当て、応援する活動を行ってきました。もしかしたら、すでにこのコレクションのページをご覧になったり、お茶を味見されたりした方もいらっしゃるかもしれません。私たちは、情熱あふれる女性たちに改めて光を当て、皆様と素晴らしい女性たち(Yunomiの「人から人へ」の理念)をつなぐお手伝いをしたいと考えました。この特別なWomen in Teaサンプラーセットを通して、お客様に日本茶業界で日々奮闘する女性たちのお茶を楽しんでいただければ幸いです。私たちは、お茶のコミュニティにおいて女性が果たす重要な役割に光を当て、彼女たちの多様な経験を認め、彼女たちをサポートし、未来の女性茶人を応援していきたいと考えています。 以下では、最近のインタビューで聞いた彼女たちのストーリーや貢献についての体験談を共有します(これらは、 Women in Tea Collection に登場した女性のうちのほんの一部です)。私たちは、今後も女性たちをサポートし、彼女たちのストーリーを共有し続けたいと考えています。 杵塚 あゆみさん、Cittorattu の茶農家 一年を通して農業に携わり、3人の幼い子どもの母でもあるあゆみさんは、お父様が設立したNaturaliTea (人と農、自然をつなぐ会)から独立し、2019年にCyittorattu(湯のみあゆみ農園)を設立しました。独立を決意した理由は、土から、地域社会における栄養の循環、人と人、そして人を支える土地との関係性など、あらゆる関係性を再生・活性化させる、地球にもっと優しい農業を実践したいという思いからです(興味のある方は、過去のインタビュー記事もぜひご覧ください!)。 独立して4年目を迎えるあゆみさんは、男性優位の日本社会で茶農家として働くことは、かなり負担に感じることがあると話してくれました。仕事が退屈だったり大変だったりするからというのではなく、茶農家としての評価が、製品そのものや彼女自身の人間性ではなく、性別(つまり、茶農家が男性か女性か)に基づいていることがよくあるからです。これがフラストレーションにつながることもあります。 重要なのは、あゆみさんの農業への取り組みが、女性茶農家という枠にとらわれない点です。伝統的な農法と栄養循環に基づいた有機農法こそが、彼女のお茶を際立たせているのです。父親が経営する評判の高い有機農園(実は日本における有機農法の先駆者の一つでした)で独立する以前、彼女は有機農法でありながら、多くの有機肥料が海外からの輸入に頼っていることに気づきました。この経験から、地域における栄養循環の観点から、有機農法が本当に持続可能な農法なのかという疑問を抱き、現在では自身の農園(稲わら、鶏糞、鶏の餌となる雑草など)をはじめ、近隣地域(地元の酒造や醤油醸造など)の資源を活用しています。 あゆみさんは、農家の人たちが作る製品には、彼らの哲学が反映されていると信じています。それは、アーティストにとって、作品や作品は、アーティストの考え方や世界に対する在り方から生まれたものであるのと同じです。このことを念頭に置いて、彼女のお茶を飲む際には、味だけでなく、山の茶畑の美しさ、地元の人々の手入れや資源、そして情熱を込めてお茶を淹れてくれた素晴らしい女性農家の姿にも耳を傾けてみてください。 2023年2月、新茶のシーズンを前に、あゆみさんと3人のお子さんたち。農作業は常に何かとやらなければならないことはありますが、お子さんたちと過ごす時間もまた、かけがえのない時間です。 球磨茶園 ブランド代表 中谷 和美 中谷一美さんは、茶農家の叔父や従兄弟を含むブランド「 クマティーガーデン」を経営しています。彼女は茶のインストラクターでもあり、熟練の味覚を駆使して、親族が栽培・収穫した茶葉から、極上の煎茶や玉露(もちろん、受賞歴のあるものもあります!)を加工・ブレンドしています。...